2017.1.28第2回未来を担うひとづくりフォーラム@島根県益田市

まんまるゆきりん

2017年01月29日 21:43

島根県益田市で開催された第2回未来を担うひとづくりフォーラムに行ってまいりました。
素晴らしいフォーラムでした!!!
内容もりだくさんでうまくまとめられていませんし、長文となってしまいましたが、ご興味のあるかたはどうぞ。


【島根が目指す教育の魅力化とは 島根県教育魅力化特命官 岩本 悠 氏 】

自分は東京生まれだが、先祖代々祖父までは益田で暮らしていた。一世代またいで益田に呼んでもらえるのは嬉しいことである。

教育魅力化(通称)→初の教育改革、地域の創生 自治体や地域や公民館が協力・連携
①魅力ある学びづくり 学びが苦痛ではない、意欲を持てる環境を
②魅力ある人づくり 子どもたちがこんな大人になりたいと憧れるイキイキとした大人を育てる
③魅力ある地域づくり イキイキとチャレンジしている人がいる「ここ」で子どもを育てたいと思われる地域

今までのキャリア教育は小・中・高・大学・社会教育とミゾがあった。これを縦横での協働による教育体制に。
人という最高の学びの資源を活かしてすべての人がロールモデルとして次世代とかかわる。
通常、行政が計画を作っても、作ったところで何も変わらない。しかし、益田はどんどん動いていっている。学びの循環が作れている。

ポイント
お客→主体 受け身から本人の意思による参画へ
同質→交流 いつものメンバーではなくあえて異質な人とかかわる
一方的→会話 双方向のコミュニケーション

成果をあげるための成功スパイラル
成果の質→関係の質(チームにおける空気、失敗を恐れず安心して自分の意見を言える)→思考の質→行動の質→成果の質(ここに戻り、以下スパイラル)


【分科会 Bグループ】
★テーマ1
公民館を拠点にした中学生の居場所づくり〜「自学教室」からのスタート〜
発表者:益田市二条地区「eboard自学教室」(二条公民館/二条里づくりの会)

中山間地域である二条地区。二条公民館(公設)の客の半数は子どもで、放課後親のお迎えを待ったり子ども同士で遊んだりと公民館が放課後の子どもの居場所(サードプレイス)になっている。
公民館では、中学生を対象に月2〜3回ペースでiPadを貸し出し自学。

もともと中学生はお手伝いではなく主体者として地域の行事にかかわっていた。
地域が困っていることはと考えればするべきことが見えてくる。中学生に地域活動をしてみないかと声をかけたらゴミをキレイにし鳥居を立てることに。
設置する鳥居作り、材料の買い出し、模型作りなどしっかり準備したつもりだったが、なかなか計画どおりに進まない。
その時、お手伝いである大人が当初の計画と違うことをしてしまい、中学生の立てた計画どおりにならなかった。
反省会では次回に向けての振り返りを行い、前向きな気持ちで役割やタイムスケジュールなどをしっかり決めたため2回目は予定どおりに進んだ。

「中学生はすごい、ふるさと祭で出店してもらいたい」の声に中学生がシフォンケーキを作り、48食が5分で完売した。地域でこれだけ注目されていると中学生のモチベーションも上昇。
中学生が広島大学へ行き研究施設を見学したり学生と交流したりしている。

〜中学生の感想〜
・最初は不安でやりたくなかった。鳥居立ては大人中心となってしまい困った。最後には自分たちが大人を動かすことができて良かった。
・企画して成功した喜びを感じた。
・二条を知ることができ、大変だったけど二条のことがもっと好きになった。
・自分たちで企画してやりきった。地域の人と仲良くなれた。
・地域の人の名前を覚えてあいさつできるようになった。食事会では30人ぶんのお肉の量がわからず苦労した
・2回目の鳥居立てはチーム分けをしてうまくいった。

…などなど、子どもたちに自信がつきアクティブに。
どのように説明したら大人にわかってもらえるかを考える力がついた。
課題は、大人のかかわりかた。手を出しすぎないで見守る。大人のガマンする力。学校と家庭との連携など。

地域から必要とされている喜びこそがこれからを生きる力となる。そのためにはさまざまな関わりが必要。
子どもたちがどう育っていってほしいか、まちづくりに関わろうとするマインドになるようにどうやってモチベーションを上げていくか、大人が思いをひとつにし子どもと関わっていく。
子どもは人と人との接着剤。
中山間地域だからこそ、子どもを中心とした地域づくりを。

★テーマ2
人間力育成塾(おのみち100KM徒歩の旅)
発表者:NPOおのみち寺子屋

小学4~6年生が4泊5日間をかけて尾道市内100キロの道のりを歩きぬくイベント
それを中学生・高校生・大学生・社会人が支える
実体験から得られる生きる力を育成
限界へ挑戦し過酷な目標を達成することにより日常生活でも自分の足で歩いていく力を身につける
8月の暑い中、口にできる飲み物は水のみ。体育館でザコ寝。最初は初対面でよそよそしかった子どもも4日間歩くことにより仲間に

このイベントを成功させるためにNPOおのみち寺子屋が一年を通じてスタッフを育成
・おの100支援塾 ビジネスマナー講座(電話応対、名刺交換)、協賛募集(アポ訪問により社会とのつながりを体験)
・おの100リーダー養成塾 コミュニケーション能力開発を学ぶ
・おの100挑戦隊 役割分担、チームビルディング、管理手法を学ぶ、シュミレーション能力開発、救命講習 マニュアルは与えず自分で考えさせる
・おの100フィードフォワード 夢の実現に向けてのタスキつなぎ

小学生はカッコいい大人や学生の姿を見て憧れ、中学生以上のスタッフは勤労により役に立つ充実感を得られる
スタッフ全員が当事者意識を持って参加し、地域に貢献できるやりがいを実感できる
目の前のことだけではなく、本来追い求めているものは何かと考えることが必要

≪広島大学から参加しているスタッフの声≫
サポートとして100キロを歩くのは辛いがやりがいがある。しかし、このやりがいはイベントにただ参加すれば得られるというものではない。
水を用意する役目、けがに対応する役目、遅れた子に付き添う役目、食事の担当など、このどれが欠けてもイベントは成功しない。
全ての役割を担うメンバーに支えられて活動が成り立っていることに気付けるようになった。
大学1~4年生がフラットな関係でお互いに学びあい、1年生でもやる気さえあればリーダーになることができる。
全員が自分から主体的にかかわり、一緒に育つ関係となっている。


【総括提案:地域のために未来を描く!~カタリ場の挑戦~認定特定非営利法人カタリバ カタリ場事業部 今村 亮 氏】
自己紹介の後動画を流されたのですが、冒頭に熊本地震で崩れた熊本城の石垣、潰れた家、私の母校の映像が流れ、涙が止まらなくなりました。なのであまりメモをとることができませんでした…今村さんごめんなさい。
今村氏は高校時代まで熊本で過ごされたのですが、熊本を出たくて東京に進学・就職されたとのこと。
熊本地震をきっかけに熊本の地域活動に関わることになったそうです。甚大な被害を受けた益城町で、子どものための「学びの支援」と「居場所づくり」を行われています。
「人づくりとは、「学び」が生まれる地域づくりのこと。」
「人づくりを、親や学校に丸投げしない。」など、すごく心に響きました。
「勉強と学びの違いは?」の問いに「勉強は頭でするもの。学びは心でするもの。」との高校生の返答に目頭が熱くなりました。


【エンディング 益田市豊川地区つろうて子育て推進協議会 とよかわっしょい!】
エンディングでPVを流そうとされた時にアクシデント発生。映像は流れるけれど音が出ない…。慌てて調整をするけれどもやはり出ない…。
そんな中、高校生が主体となり自己紹介などで時間をつないでいっていた、素晴らしいチームワークに感銘を受けました。

高校を卒業すると、進学や就職などでいったんは益田を離れる大多数の子どもたち。その子どもたちが、ここで子育てをしようと故郷に帰ってくる。こんな子どもたちが育っている益田市の未来は明るいものになると確信しました。
熊本も、そんなまちを目指してガンバロウ!